DICOMO2019において「物体内部に設置したBLEビーコンの電波強度を用いた状態推定手法」を発表しました

B3の大鐘勇輝と水野涼雅です。 7月2日(火)~7/5日(金)の日程で福島県磐梯熱海温泉 華の湯にて開催されたDICOMO2019において研究発表を行ってきましたので、報告させていただきます。 今回の発表では「物体内部に設置したBLEビーコンの電波強度を用いた状態推定手法」というタイトルで、BLEビーコンを用いたモノの状態推定の研究を発表させていただきました。
  • 大鐘勇輝,水野涼雅,梶克彦,物体内部に設置したBLEビーコンの電波強度を用いた状態推定手法,マルチメディア,分散.協調とモバイル(DICOMO2019)シンポジウム,4C-5,pp.792-799,2019

研究背景

技術の発達によって、近年ではモノの高機能化が進んでいます。 例えば、スマートフォンと連携した機能や音声による操作、インターネットへの接続による外部からの操作など、現在では多くの機能が搭載されるようになりました。 中でもインターネットに接続する家電はIoT家電と呼ばれ、エアコンや照明、家の鍵から車に至るまで、数年前ではインターネットと無関係だったものが、今では当たり前のようにインターネットに繋がるようになりました。 このようにモノの高機能化が進むと、それに伴って様々なセンサが搭載され、そこから多様なデータを取得することができます。 ここで得られるデータは、リアルタイムなデータであれば留守時の防犯、履歴データなら無駄の可視化というように色々な活用が期待できます。 ここで、これらのデータはIoT家電などからしか取得できず、ドアや椅子といったモノからは何もデータを取得できないといった問題があります。そこで私たちは、このようなモノからでも情報の取得を可能とするべく研究を開始しました。

提案手法

私たちが提案する手法では、BLEビーコンを直接モノの内部に設置することで状態を推定します。BLEビーコンの電波は微弱なためモノが動作し、ビーコンの遮蔽状態が変化するとそれに合わせて受信電波強度も変化します。本研究ではこの変化を捉え、下に示すような処理を行うことでモノの状態を推定します。

推定精度

本手法の状態推定精度を確かめるために評価実験を行いました。 詳しい実験設定等は論文を参照してもらえばと思いますが、推定対象物として冷蔵庫、金庫、座椅子を用いて実験を行いました。その結果、以下のような結果になりました。   この結果からBLEビーコンを用いた状態推定手法は、モノの状態を推定するに当たって有効な手法であることが分かりました。 今後の応用としては、家中にBLEビーコンを設置して人のライフログの取得を目指したり、車椅子の車輪の部分にビーコンを取り付けて、移動をセンシングできないかなどを検討していきたいと思っています。

感想

大鐘と水野はB1の時から研究室に所属し研究を行ってきましたが、しっかりとした論文を書き、学会で発表したのは今回のDICOMOが初めてでした。そのため、論文執筆の際は何度もリテイクの指示が出て、締め切りの日は研究室に泊まるなど、書き上げるのには本当に苦労しました。しかし、大変な苦労が合ったからこそ、終わった後の達成感は今までの人生の中でトップ3に入るほど格別なものでした。 今回の論文の執筆およびDICOMO2019での研究発表は梶先生や先輩方のサポートのおかげで無事に終えることができました。この場をお借りして感謝いたします。 DICOMO2019では学会とは思えないほど豪華な食事と温泉を堪能することができました。発表は緊張して大変でしたが、楽しめて良かったです。