B4の安藤弘晃です. 第82回情報処理全国大会にて「FA機器間の相互作用モデルを用いた異常検知の基礎検討」について発表しましたので報告します.
研究概要
機器の保守管理には,長時間の安定動作を保証できる高信頼性が求められる. 現在,一般的なFA機器の保守管理法として,FA機器の故障を発見してから対処を行う事後保全がある. しかし,この手法では故障した機器の交換や修理が終わるまで製品の生産ができなくなる問題がある. また,故障時期や故障原因の予測もできないため,意図しない保全コストがかかってしまう.
FA機器の長時間動作のためには,異常を事前に知らせることのできるシステムが必要となっている. そのための保守管理法として,打音・動作音・目視等の人手によってのチェックやFA機器の様々な場所にセンサを取り付けて,センサ値を読み取るという手法が用いられる. しかし,人の判断に依存している部分が大きく,異常を発見する手法が確立されていない.
また,人のヒューリスティックスに頼らず,機械学習を用いて異常検知をする予防保全の研究がある . この研究では,大量のセンサを機器に配置し,取得したデータから機器の異常につながるデータを探し出し,機器の予防保全につなげる手法を提案している. しかし,この手法では大量のセンサを用意し,センサから取得した膨大なデータを処理する必要がある. これではコストがかかり,実装しにくい問題がある.
本研究では,FA機器間の相互作用のモデル化を行い,異常検知や保守管理,製品クオリティの向上といった,より高精度な制御を行うFAシステムの構築を最終目標とする. 最終目標までの第一段階として,本稿では相互作用のセンシング方法とモデル化手法の提案を行う.
感想
コロナが原因で現地開催が中止となり初のオンライン開催ということで貴重な経験ができました. 発表に関してサポートしていただいた梶先生,先輩方,他の先生方,本当にありがとうございました.