現実空間の壁や家具をゲーム要素として利用し,ハンドトラッキングによるボール操作を通じて空間理解を促進する MR ゲーム
研究の概要
本研究では,現実空間をゲームの要素として活用する Mixed Reality(MR)ゲーム「MRひっぱるーむ」を提案する.本システムは Apple Vision Pro 上で動作し,ハンドトラッキングを用いて仮想ボールを掴み,引っ張り,放すという直感的な操作によりボールを射出する.射出されたボールは ARKit のシーン再構築機能によって取得された現実空間の壁や床などのポリゴンメッシュを反射面として移動し,ユーザは現実の部屋全体をゲーム空間として利用できる.RealityKit による物理演算を用いてシステムを実装し,ユーザ評価実験を通して体験の有効性を検証した.その結果,プレイヤーが周囲の空間構造や家具配置を意識しながらプレイする傾向が確認され,MR 環境が空間理解や探索行動を促進する可能性が示された.一方で,ボール挙動の制御や操作支援,マルチユーザ対応などの課題が明らかとなった.今後はこれらの改善を通じて,より発展的な MR ゲーム体験の実現を目指す.